ホームレスな御曹司…!?
「これは…!」


「聞くまでもないか。もう広樹とセックスしたんだ?」


「ちがっ…!」


広樹とはキスもそれ以上の事も…まだ…!


「感じた?」


「違いますっ!」


「広樹に言っとくよ。見える所につけんな、って」


「誤解ですッ」


「何が?」


見た事のない冷ややかな茶色がかった瞳に。


あたしは必死で言葉を選ぶのに。


“悲しみ”


なぜかそれがこみ上げてきて、涙が止まらなくなる。


「あたし…っ…っ…何もしてなくて…。広樹にこたえようと思ったけどできなくて…っ…っ…!」
< 96 / 206 >

この作品をシェア

pagetop