誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
そして少し歩いて空いている部屋にそっと降ろされる。

「ひ、ひじかたさん?」

私がおそるおそる声をかけるといきなり抱きしめられた。

「きゃっ!!」

「ったくこんな可愛いすがたほかのやつにみせんじゃねえよ。」

「えっ?」

「嫉妬しちまうなんて俺らしくねえな。」

そう言って土方さんは苦笑いをこぼす。

「土方さんが機嫌悪かったのって嫉妬してたから?」

「ああ。そうだ。」

「っ!似合わないからだと思った・・・」

安心と嬉しさで涙が零れる。

「なに泣いてるんだ?」

「ひ、土方さん似合わないって思ってるのかと思って不安だったよ・・・」

「不安にさせてすまなかった。」

「そ、それに君菊さんといい感じだし・・・」

「君菊?ああ、あの芸者か?なんだ、やっぱり蝶嫉妬してたのか?」

「なっ!ち、ちがっ///」

図星を言われて私は顔が真っ赤になる。

「ふっ。お前に嫉妬されるのも悪くねえな。」

「ねえ、さっき土方さんやっぱりって言わなかった?」

私が聞き返すと土方さんは意地悪く微笑む。

「ああ。お前がこっち見てたのはしってたからな。」

「なっ!わ、わざとだったの?」

私はおもわず自分の態度に顔を真っ赤にする。
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