誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「さっ、到着!」

私は肩でいきをする。

やっと落ち着いて周りを見渡すとあっと息をのんだ。

「ここって・・・・」

「あなたが時をとんだ桜の木のまえだよ。」

「懐かしい・・・・・」

私たちは桜ではなく深緑が生い茂る桜の木の前にいた。

そしてそっと二人で腰を下ろす。

「さて。まずなにがあったの?」

「いや、本当になにも・・・・」

「夢を見たんじゃないの?」

「っ!?」

沙織の言葉に私はびっくりして顔を上げる。

すると沙織が真剣な瞳でこちらをみつめていた。

「・・・・うん。最近同じ夢ばかり見るの・・・・」

「もしかして、土方さんが死ぬ夢?」

「うん・・・・・」

私は内容を説明した。

「そう、実は私も見るのよ。」

「えっ?同じ夢を?」

「そうよ。決まってあなたが最後に入ってくるの。」

「やっぱり、この夢は正夢になるの・・・・?」

私はぐっと袴を握る。
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