誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
蝶が出て行ってから1時間ほど過ぎた。

すると廊下を走る音が遠くから聞こえてくる。

蝶だと思い立ち上がり襖を開ける。

すると開けた瞬間立っていたのは蝶ではなく左之助さんだった。

「どう、したの・・・?」

私はなんとか平静を装う。

だけど心をめぐるのは悪い考え。

お別れをいいに来たの?

もうそばにいてくれないの?

普通の女の子じゃないからいや?

私の頭の中をぐるぐるとまわっていく。

「沙織。あのな。」

「いやっ!!ききたくないっ!!!」

私はとっさに耳をふさぐ。

やめてやめてやめてっ!!!!

あなたの傍を離れたくない。

これからも笑顔を見ていたい。

だからお願いなにも言わないで。

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