誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「俺のさっきの行動がお前を傷つけたのはわかってる。だけど、お前を気味わるがってとかじゃねえんだ」

私は静かに左之助さんの話を聞く。

「俺はな、改めてお前が守護である巫女だって実感した。そしたら不意にこうおもっちまったんだ。こんな俺なんかが傍にいていいのかって。」

「傍にいてくれる左之助さんじゃなきゃ意味がないの・・・・」

「ああ。わかってる。俺はただ逃げてただけかもしれねえな。自分の無力さを。でもな。なにがあってももうこの手は離さねえ。それだけは約束する。」

そう言って私の手をぎゅっと握る。

「お前が巫女だろうが竜神を守護神にもつ女だろうが関係ねえ。俺はおまえ自身に惚れたんだからな。」

「っ・・・・」

涙が頬を伝う。

私が一番欲しかった言葉。

それを左之助さんはいとも簡単にくれる。

本当はわかっていたのかもしれない。

わたしだって、なにを犠牲にしてもこの手を離せるわけがない。

この愛おしい人の傍を離れられるわけがない。

この愛は私にとってはこの世で最大の奇跡。

だってあなたと生きた、そしてこれから生きていこのひと時はかけがえない宝物。

「こんな俺だが、これからも傍にいてくれるか?」

「当り前よ・・・・」

そう言ってぎゅうっと左之助さんに抱きつく。

ああ、蝶。

私の答えが出たよ。

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