誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「ひ、土方さんとの子供を・・・生みたい・・・・」

そう言った瞬間に蝶の瞳からぽろぽろと涙があふれてくる。

俺は驚いて蝶を見つめる。

「い、今の時期土方さんがとても忙しいのはわかってます。だ、だけど、わ、私は土方さんとの子供を産みたいんですっ・・・ヒック・・・」

「ったく・・・泣くんじゃねえよ。」

そう言ってそっと涙を拭った後抱きしめる。

「だ、だって土方さんに迷惑かけてしまうかもしれないし・・・」

「なにいってやがんだよ。俺はな正直うれしかった。お前が俺との子供を産みたいって言ってくれてな。」

「土方さん・・・・」

「蝶。俺の子供を産んでくれ。」

「っはい!!」

そう言って泣き笑いで蝶は大きくうなづいた。

すると廊下からばたばたと走ってくる音が聞こえる。

「蝶!?」

からりと沙織が襖を開ける。

「沙織・・・・」

「土方さん、お部屋でてもらえます?」

笑顔でそういう沙織はどんな敵よりも恐ろしかった。
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