誠の紅桜に止まる蝶~番外編~

「うわあ・・・桜が綺麗ですねえ・・・」

そう言って私は土方さんを振り返る。

「ああ。そうだな。」

今日の土方さんは私が贈った着物を着ている。

「こんな穏やかな日々ならいつ逝ってもかまわねえな。」

そういってまぶしげに空を見上げる。

「え?土方さんなに言っているんですか?」

「蝶。俺はそろそろ行かなきゃいけねえみたいなんだ。」

そう言って少し寂しげに微笑む。

「な、なに言ってるの土方さん!!」

「もう時間がきちまったみてえなんだよ。」

「お願いまって!もう俳句も馬鹿にしないし、いたずらもしない!!だからどこにもいかないでよ・・・」

涙で前が見えない。

「なあに言ってやがんだよ。そう言うところ全部含めて蝶だろ?」

「だって・・・・だってえ・・・・」

私は子供のように泣きじゃくる。
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