誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
びくっと自分の体が揺れて驚く。

「え・・・?」

目を開くと私は土方さんの腕の中で眠っていた。

「どうして・・・・?」

そうだ。
昨日の夜、私たちは一緒に眠ったんだ。

私は土方さんの胸、髪、頬に触れる。

「温かい・・・・」

よかった、夢だったんだ・・・・・

私の瞳から安どの涙があふれ出る。

「よかった・・・ヒック…生きてる・・・・ちゃんとここに居てくれる・・・・」

私は土方さんに気づかれないように背中を向けて止まらない涙を流す。

すると急にふわりと抱きしめられる。

「なあに泣いてるんだよ。」

寝起きの声の土方さんが優しげに問いかけてくれる。

「ひ、土方さん、起きてたんですか!?」

急な出来事に私は声を上ずらせる。

「お前のぬくもりがなくなったからな。なんで泣いてるんだ?」

「土方さんが悪いんです・・・・夢で急にいなくなるから・・・・」

そう言って私はごしごしに止まらない涙を乱暴に拭う。
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