誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「さあ、行くか。」

「はい!巡察ですね!!」

そう言って私たちは屯所を出る。

「あれ、ほかの隊士たちは?」

「もう先に行かせている。」

そういって土方さんはいつもと違う方向へ歩き出す。

「え?土方さん?」

土方さんについていくとお祭りのやっている神社についた。

「ひ、土方さん!?」

訳がわからなくて私は首をかしげる。

「今日は祭りだ。浪士やごろつきどもも祭りにきてるってわけだ。だから今日はここを巡察する。」

「土方さん・・・・」

きっと、隊士たちや私のことを考えてくれたんだろう。

「さあ、行くぞ蝶?」

そう言ってそっと手を差し出してくれる。

「はいっ!いきましょう土方さん!!」

私はうれしくて笑顔で土方さんの手を握る。

すると土方さんは大きい手でぎゅっと握り返してくれる。

私たちは巡察という名のお祭り見物を始めた。
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