誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「はあはあっ!!」

わたしと左之助さんはなんとか新八たちを振り切る。

正確に言えば新八だけだけどね?(笑)

「よし。ここまでくればあいつも追いかけてこねえだろ。」

「そうだね。でもいいの?新八たちとまわらなくて。」

「ああ。今日は愛しの織姫様とまわるからな。」

「か、からかわないでよっ!!私織姫様じゃないもん!!」

「そうか?織姫様みたいに綺麗だぜ?」

「でも、織姫様だと左之助さんと1年に1度しか逢えなくなっちゃうじゃない・・・」

そう言って少し寂しげに肩を落とす。

そんな一つ一つのしぐさが愛おしくてたまらない。

そんな沙織をそっと抱きしめる。

「なあに馬鹿なこと言ってるんだよ。お前が織姫なら俺が彦星だろ?俺はどんなことをしてでも1年に数十回でも何百回でも逢いに行ってやるよ。」

そう言うと少し沙織は目を丸くした。

そしてくすっと笑いだす。

「ふふっ。左之助さんらしい答えだね。」

「そうだろ?」

「うん。素敵な彦星様のパートナーに私は慣れたんだね。」

そう言って沙織は少し背伸びをしてちゅっと唇を奪う。

「なっ///」

あまりの不意打ちに俺は顔を真っ赤に染める。

「ふふっ。左之助さん顔真っ赤!!さあ、お祭り回ろ?」

そう言って無邪気に歩き出す沙織。

そんな沙織の腕を強くひきぐいっと口づけをする。

「ちょっ!さ、左之助さん///」

赤面で抗議する沙織。

「お前が先に仕掛けてきたんだろう?少しは付き合ってもらうぜ?」

「もう!」

そのまま二人は長い間口づけを交わした。
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