誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「ほお。この俺に隠しごととはいい度胸じゃねえか。」

そう言って土方さんは私を持ち上げる。

いわば高い高いのような状態だ。

「なっ!!ひ、土方さん降ろしてっ!!!!」

「蝶が何をお願いしたら言ったら降ろしてやるよ。」

「む、むうー・・・」

言うのは恥かしい、だけど、この状況も恥ずかしい・・・・

「・・・す・・・よ・・・に・・・って・・・」

「きこえねえなあ」

そう言って土方さんは意地悪く笑う。

「っ!、ひ、土方さんとこの先も過ごせますようにって。土方さんの一番の笑顔を見れるのがこの先も私だけでありますようにって・・・・」

恥かしくうつむく。

「ふっ。俺のことばっかりじゃねえか。」

「わ、悪いですか!?」

すると土方さんはそのまま私を肩に座らせる。

「ひ、土方さん!?」

「じゃあ俺の願い事も聞かせてやるよ。」

「え?」

「俺の愛おしい織姫がずっと俺の元だけで笑っているように、そして幸せにしてやれますようにってな。」

「え・・・?」

「お前が不安なら何度だって言ってやるよ。どんなことがあっても俺が愛するのは生涯でただ一人。お前だけだ。」

「土方さん・・・」

わたしはぎゅっと首に抱きつく。

「なあ蝶?」

「なんですか?」

「土方さん、じゃなくて歳三ってよべ。」

「ふえ!?////」

「だめか?」

すこし寂しそうに尋ねられる。

「っ!ず、ずるいよ・・・・」

「じゃあ呼んでくれねえか?俺の名前を。」

「と、歳三さん・・・」
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