誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「おい。総司。蝶は?」

今日は朝から蝶を見ていない。

「蝶ちゃんならさっき俺と巡察行ってそのままどっか行きましたよ。」

楽しそうに総司は返事をする。

「そうか。すまなかった。」

「土方さん。あんまり蝶ちゃんを拗ねさせちゃダメじゃないですか。」

面白いものを見るようにこちらを見る。

「拗ねさせる?」

俺はわけがわからなくて聞き返す。

「あれれ?土方さんなんのことかわかってないんですか?」

驚いたように総司が聞き返してくる。

「ああ。さっぱりわからない。」

「はあ。だから蝶ちゃんも拗ねるんですよ。土方さん昨日蝶ちゃんから夜食もらいませんでした?」

「ああ。もらったな。」

昨日仕事をしていると蝶が部屋に戻ってきた。

その手には食べやすい様に握られたおにぎりを皿にのせていた。

「そのおにぎり全部一人で食べましたか?」

総司はすべてを知っているような瞳で尋ねてくる。

「新八にやったような気が・・・」

俺は必死に思考を巡らせる。

そうだ。

蝶が寝た後、新八が巡察報告に部屋にきた。

その時に腹が減ったと行っていたから握り飯をやったのだが・・・

「それがだめなんですよ。」

のんきに総司は笑う。
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