誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「あたりめえだろ。好いた女がほかの男にあんなに嬉しそうな顔向けてて平気でいられるほど俺は心が広くねえんだよ。」

そう言ってまたそっぽを向いてしまう。

私はなんだかうれしくておもわず微笑んでしまう。

「土方さん?私が喜んでいたのは原田さんからお花をいただいたからではなく土方さんと金木犀を見られるとおもったからですよ?」

「え?」

「以前金木犀のお花を見たいって言ってましたよね?その時のやさしい土方さんの顔を思い出したらつい私も嬉しくなっちゃって。」

そう言って私は手の中にある金木犀に目線を移す。

「っはあ・・・・俺の勘違いかよ。」

土方さんが天を仰ぎながらため息をつく。

「私は土方さん意外の男の人に興味ありませんよ。」

「ったく蝶。お前その言葉は反則だろ・・・・」

そうつぶやいて土方さんは少し顔を赤くする。

「ふふっ。でもうれしいです。最近土方さんに嫉妬してもらえたりやいてもらえたり・・・」

「それほど俺がお前に惚れてるって証拠だ。」

そう言って土方さんは優しく私の頭をぽんぽんとする。

「仲直りしたところでその金木犀を部屋でながめようぜ?戻ってきてくれるんだろ?」

まるで子犬のような瞳で土方さんは私を見つめてくる。

「はいっ!季節外れのお花見ですね。」

「ああ。」

そう言って私たちは部屋に戻っていく。

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