誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
私はこくこくと頷く。

「そうか。泣かなくてえらい子だ。」

そう言って一さんはよしよしと頭を撫でてくれる。

「は、はじめさんっ!?」

あまりの突然の出来事にすっとんきょな声が出る。

「うわあ。一君お父さんみたいだね。」

そう言ってひょっこりと顔を出す沖田さん。

「お父さんか・・・・」

一さんはなにかしみじみと一人でうなづいていた。

「立てるか?」

「あ、はい・・・っ!!」

私は立とうとすると足に激痛が走った。

「足が痛むのか?見せてみろ。」

そう言ってさっと足を確認するはじめさん。

「軽く捻ったようだな。」

「って、えっ!!」

そう言うと一さんは私を抱え上げる。

「は、一さんっ!!??」

「このまま副長の部屋まで運ぶ。」

そう言ってすたすたと歩き始めた。

「本当に一君お父さんみたいだね。」

楽しそうに総司が笑う。

「お前がそう言ったから自覚でちまったんじゃねえのか?」

笑ながら遠くなる一の姿を二人を見送った。
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