誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
私は自分でも驚くほどスムーズに準備をすることができた。

小さいころ以来のはずなのにまるで最近までやっていたかのように体が覚えていた。

「それでは、先に一本決めたほうが勝ちとします。」

審判の声にわたしたちは頷く。

「はじめっ!!」

声と同時に私は攻め込む。

そして相手のがら空きの部分に一本を決める。

スパンっ!!!

乾いた音が静寂を招く。

「一本!勝者蝶!!」

「うそだろっ!あの土方さんが負けるなんて・・・」

「あいつ、強い!!」

ざわざわと周りが騒ぎだす。

前にもこんなことあった気がするのがでじゃぶですか?

「お前、強いじゃねえか。さすが俺らにアドバイスするだけはあるな。」

「あ、いえ、・・・・」

「どうだ?剣道部に入らねえか?」

「か、考えておきます。」

私はそう言ってぺこりと頭を下げて出ていく。
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