誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
そして毎日が当たり前のように過ぎて行った。

私は剣道部に結局入部した。

なんだか懐かしいような気持ちになるからだ。

これが、私の日常なんだ。

なんとかそう思えるようになってきた。

今日は休日だから学校はお休み。

私は朝から神社の手伝いをしていた。

境内を掃除する。

「蝶?」

名前を呼ばれて振り返ると着物の土方先輩がいた。

「あ、土方先輩・・・どうしたんですか?」

まさか休日に出逢うとはおもわずびっくりする。

「いや、俺は毎日ここに参拝に来ていたんだが・・・まさかお前ここの娘なのか?」

「はい。そうですよ。」

「だからお前は凛とした雰囲気を持っているのか?」

「ふぇ?」

おもわずすっとんきょな声が出た。

「あはは。ったくなんて声だしてるんだよ。」

そう言って微笑む土方先輩。

似てる・・・・

誰かに、似てる気がする・・・・

「あ、土方先輩今日は着物なんて着てどうしたんですか?」

「ん?今日は家の用事でな。」

「そうなんですかあ・・・・すごい似合います!!それにそっちのほうがしっくりきます!!」

懐かしいような気持ちになる。

「そか?」

不思議そうに土方先輩は首をかしげる。

「はい!!着物姿も似合ってます!!」

私はおもわず微笑む。

まるでやっと見失っていたものを見つけたような、そんな気持ちになる。

「そうなのか?ったくおかしなやつだな。」

頭を撫でてくれる土方さん。

ふわりと薫る香。

違う・・・・

私はおもわず後ずさる。

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