誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「私は、あなたがどうして悲しんでいるのかは知らない。だけどっ!」

私はぎゅっと無意識に土方さんの着物を強く握る。

「あなたのように悲しまないように愛しいこの人を守っていく!!私はなにがあってもこの人の傍を離れないからっ!!」

私の言葉に目を丸くして驚く。

「守っていく・・・・?」

「そうよ。私は守られるだけの女なんて嫌なのよ!あなたはそうじゃないのっ!?」

そう叫ぶと彼女はふと遠い目になる。

「ああ・・・・私は大切なことを見失っていたのね。」

「え?」

「私だって毎日必死に彼らを支えてきたわ。だけど、どうしても運命には逆らえなかった。」

その時いつも思い出すのが戻ってきたころの私の巣型だ。

あの時に現代にそのまま戻っていたらなにか変ったの?

そんな考えがいつしか頭をめぐるようになった。

「だけど、間違っていたのね・・・・」

目の前にいる私は強い。

今の私ならば、私のような未来は歩まないだろう。

「私も、愛おしい人の元へ戻るわ。」

「え?」

そうつぶやくと未来の私は消えかける。

「あなたは、あなたの未来を歩みなさい。」

そう言うと未来の私は消えていった。

「なんだったの・・・・?」

永いような短い時、を夢見ていたような気がする。

「未来の蝶ちゃんもきっと土方さんの傍へ戻っていったんだね。」

沖田さんが優しく私を見て微笑む。
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