誠の紅桜に止まる蝶~番外編~

今は6月。

季節でいえば初夏。

少しずつ蒸し暑くなってくる季節である。

そして夜になると特にじめじめしている。

寝つけずに私は起き上がる。

土方さんの姿はない。

「ああ、今日お偉いさんと会談があるんだっけ・・・・」

最近土方さんはとても忙しい。

もう2週間以上もまともに離せていない。

忙しいのは十分わかっている。

でも・・・・・・

いつもいる人がいないというのは少し寂しい。

そして私はそっと部屋から出る。

するとふわりと目の前を小さな光が横切る。

「あ、蛍!!!!」

黄色い優しい光を発しているものに私は興味を持った。

そして蛍が飛んで行く方へついていく。

すると後ろから足音が聞こえて振り向く。

「あれ、原田さんと一さん!どうしたんですか?」

原「おお。蝶か。俺らは今夜の巡察から帰ってきたところだ。そんときに蛍が見えたから追ってきたんだ。」

一「そろそろ蛍の季節ではないかと思っていたからな。」

そういって蛍のほうへ目線を配る。

「あ、じゃあ追いましょう!きっとたくさんいると思います!!」

原「おう、そうだな。」

そう言って私たちは3人で歩き出した。
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