誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
一「蛍を見ながら飲む酒も中々うまい。」
原「ああ。そうだな。」
一さんと原田さんは沙織が用意していたお酒を飲んでいる。
そして私はそっと泉に足を浸す。
ひんやりとした感覚がとても気持ちい。
私は泉に映る自分の顔を見つめる。
その顔はなんだか泣きそうな顔をしていた。
ここに、土方さんがいてくれたら・・・・
なんてことを考えてしまう。
「蝶。どう?蛍は綺麗?」
「あ、沙織。うん!とてもきれいだよ!!!」
「だけど、泣きそうな顔をしているのね。」
「え?」
私は驚いて沙織を見つめる。
「歳三が原因でしょ?」
そういって沙織は優しく微笑む。
「いや、そういう訳じゃないんだけど・・・」
「寂しいわよね。最近忙しいみたいだものね。」
「・・・・うん・・・・」
私は沙織の言葉を聞いているうちに胸がきゅんと締め付けられるような感覚がした。
そしてゆっくりと口を開く。
「忙しい人なのは十分わかっているんだよ?だけど、全然私に頼ってくれないし、休んでくれないし・・・・」
「心配なのよね?蝶は。」
沙織が優しく頭を撫でてくれる。
「うん・・・・」
私は子供のように優しい手に甘えた。