悲しみの桜【短編】
心の花満開
公園の桜も散り、美結は

俺の事を『ダー』と呼ぶ

ようになった。『ダー』

とは、『ダーリン』の

『ダー』。結構俺はその

呼ばれ方を気にいっていた。

「ねぇ、ダー?私が飲み

屋の仕事してるの嫌?嫌

なら辞めるから、正直言

って?」と美結が聞いて

来た。俺は、

「嫌じゃねぇよ!どこの

誰よりも俺はお前を信じ

てるから・・」と言った



「嘘つきっ!本当は嫌な

くせにっ。」と言って、

美結は立ち上がり、

「来年も桜、一緒に見よ

うねっ?」と聞いてきた

から俺は大きく、うなず

いた。美結は続けて、

「じゃあ、再来年は??

再来年の次の年は?その

次の次の・・・」と美結

は子供みたいに聞いてき

た。俺が

「しつこいよっ!」と言う

と美結は、俺のおでこに

キスをして、ニコッと微

笑んだ。
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