悲しみの桜【短編】
そして俺は、先に駆けつ

けて来ていた、涙する美

結の両親と奈緒姉の方を

振り向いて、

「守ってやれなくて申し

訳ございませんでした」

と言って頭を下げた。す

ると親父さんは俺の肩に

手をやって、

「今まで独りぼっちだっ

た美結のそばにいてくれ

て、ありがとなっ」

と言った。その時の親父

さんの目は、とても極道

やってる人とは思えない

ほど優しくて、どこにで

もいるような、「親父の

目」をしていた。
でも、ありがとう??・

・・ 俺は感謝される事

なんか何もしてない。

美結と赤ちゃん守れなか

ったのだから・・・。
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