それでも私は君が好き
華やかなこの商店街は、
今の私の心とは真逆。
鬱陶しいとさえ思う。
早く抜け出したい抜け出したい。
何ども心でコダマする。
人がこちらを見て嘲笑うかのようで押し潰されそうになる。
ダメだ…泣きそう。
脳裏を過るのは屋上での一言ばかり。
『迷惑だ。』
そんなに人を好きになるのは迷惑なの?
そんなに私に好かれたくないの?
レンアイカンジョウッテナンダ?
分からない分からない。
私にはさっぱり真壁君の心情が理解できない。
「あっ…あれ…」
里緒の呟きにふと顔を上げる。
見上げた先には…
「真壁君だ…」