それでも私は君が好き
何も言わないってことは入ってもいいってことかな?
「んまあ・・・考えとくね?」
「よっしゃあああ!で、香坂さんは?」
「絶好に嫌よ。」
「マジかよ・・・」
ちょっと肩を落として寂しそうに歩く神崎君。
何事もなかったかのように歩く里緒。
横のお店を見ながら無口で歩く真壁君。
そんな三人を少し後ろから微笑みながら眺める私。
真っ赤な夕陽に照らさせてぎこちなく歩く四人だけ。
そんな関係がどことなく甘酸っぱくて
触れたら壊れてしまいそうな花を
私は高鳴る胸に抑えた。
それに気付いたのか
「後ろで何一人笑ってんの?」
私は真壁君の一言で我にかえった。
うわ・・・私、今すごく間抜けな顔してたんじゃ・・・
慌てて顔を触る。
「フッ・・変な人」
そう言って真壁君はまた前を向いた。
私は真壁君に顔を見られた恥ずかしさと笑ってくれた嬉しさとで
顔が真っ赤になった。
真壁君が・・・笑ってた。
それはしっかり目にやきついている。
私は改めて一緒に帰って良かったと思った。
視界が明るくなったような気がしたんだ。