それでも私は君が好き


ポツンと屋上に取り残された私はその場に立たずむ。


それもそうか。入学してすぐ告白してもね…


でも、それでも諦められない!純粋に好きなんだもん!


容姿だけじゃない。もちろん容姿もすっごく好きだけど、何より私が惚れたのはもっと大事なこと!


入学した時から彼は、男女問わず人気者でその輪の中で囲まれて笑う彼は、まるで太陽のように暖かくて笑顔が素敵だった。


キラキラ輝いていて見ているこっちも思わず微笑んでしまう。


幸せな空気が流れるのを私は声もかけられず眺めるだけ。


それでもいい…君と同じ教室で同じ授業を受けられるだけで…


私はそれだけで充分だった。


彼を眺めるだけで…


でも心はだんだんと欲張になってく…


眺めているだけじゃ物足りない。


どうしたら、私もその輪に入れるのかな?


どうしたら声をかけられる?


あっ…今、こっち見た!


うわ…まつげが長いんだなぁー羨ましい…


でも、目が合うのは一瞬だけ。


またすぐに視線を輪の中へと戻す。


同じ世界、同じ時間、同じ場所、同じ空間、同じ教室にいるはずなのに…


どこか彼を遠く感じる。


手の届かない存在。


せめて名前だけでも…





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