それでも私は君が好き
「ハァ…ハァ…桜子おばあちゃん!」
カランカランとドアを勢いよく開けて
お店の奥にいるおばあちゃんを呼んだ。
「はいはい。ここにいますよ。」
そう言ってニッコリ笑いながら出迎えてくれた
。
桜子おばあちゃんは私の本当のおばあちゃんではない。
産まれた時から両方のお祖母ちゃんはいなかった。
そんな私を本当の孫のように扱ってくれてるのがこの桜子おばあちゃん。
昔からよくここに来ていて、可愛がってくれた。
今は、おじいちゃんが亡くなって桜子おばあちゃんが1人でお店を切り盛りしている。
子供は成人して、遠い都会で幸せに暮らしているみたい。
そんなおばあちゃんのお手伝いをたまにしている。
この時間だけ、
何故か時が経つのが遅く感じられ
ついつい時間を忘れてしまう。
まるでここだけ時間が止まってるように・・・
「疲れたでしょ?丁度、お紅茶ができたの。さあ、一息してちょうだいな。」
「ありがとう・・・・」
おばあちゃんが淹れてくれる紅茶は
格別においしい。
骨董品や雑貨に囲まれて、
本当に時間を忘れてしまう。