それでも私は君が好き
「あ!そろそろ片付けなきゃ!」
ふとショーウィンドウの外をみると
向かえの建物と建物の間から
薄紫色とオレンジ色に染まる星空が広がっていた。
「おばあちゃん、私お店の外、片付けてくるね。」
そう言って外に出てドアにかかっている木のプレートを
“open”から“close”に変え、
『あんてぃーく』と書かれた看板を
よいしょと持ち上げ、
店に入ろうとした瞬間だった。
「あ・・・」
夕陽に照らされてこちらに歩いてくる影が二人。
間違いない。
あの影はまさしく
真壁君と・・・
「マネージャー?」
確か、学校を出るときにはっきりとは見ていなかったが
美人なマネージャーらしき人が真壁君の横にいたことだけは鮮明に覚えていた。