それでも私は君が好き
私には・・・
無理だ・・・
あんな笑顔をさせるのも。
二人の間に入ることさえも。
とうてい敵わない。
壁がある。
夜の冷たい風がサァーっとふきぬける。
まるで今の心境のように。
「真弓ちゃん?」
桜子おばあちゃんが心配してお店の外にでてきた。
「あ!ごめんなさい!私ったらボーットしてて」
「クスッ珍しいはね。さ、中へ入りましょ?寒かったでしょ。」
「・・・おばあちゃん」
優しくて温かい桜子おばあちゃんの声に
ついつい抑えてた涙が出そうになったのを
星空を見上げてこらえた。
泣かない。
負けない。
強くなるんだ。
諦めない。
たとえ・・・
報われなかったとしても。
絶対に諦めなんかしない。
だって・・・・
好きだから。
この気持ちは変わらない。
その思いを胸に、
私は鞄をもって
お店を後にした。