それでも私は君が好き
「あの…放課後時間があったら、屋上に来て下さい!待ってますから!」
それだけで精一杯で、返事も待たずに教室を飛び出した。
「あ!真弓!?」
後ろから里緒の呼ぶ声がしたけど振り返らずに走った。
ひたすら…走った。
走って走って走った先には…
「あれ?ここ何処だ?」
「職員室だ。それより何だそんなに慌てて。廊下は走るな!」
いつのまに…
「すいません。」
教室に戻った時には私をじろじろと見ながらこそこそと話していた。
「ねぇ、君は慎也のどこを見て好きになったの?どこを?」
「えっ…!?」
やたらとどこを強調してくるので返事に困った。
「その…」
まさか、キラキラ輝いていて笑顔が素敵でこっちまで暖かくなって幸せな気分にしてくれるとこだよ!
なんか言えない。
だからと言って騙っているだけもな…
「まさか容姿だけ?ルックス?それとも…《違う!》」
思わず声を荒げてしまった。
クラス中がシンとなる。
一斉に静まりかえり、皆の視線が私に向けられる。
うっ…痛いよ…