小さな幸せ
彼女の中にゆっくりと沈めていく。


「い”っ、、」


苦痛に歪んだ表情をして俺を押し戻そうとする。


まだ、そんな深くない

やっぱり初めてなのか?


「大丈夫?」


と声を掛けると

涙にうるんだ瞳で俺を見上げ

「痛いです。」

すてられた子犬のような切ない顔で俺を見る。


愛しい気持が止まらない。


でも、ここでやめるわけにはいかない。


「ごめん、少し我慢な。」


同じ痛みなら早く終わらせてやろう。


ぐっと奥に沈める。


「ッ」

っと声にならない息。


お俺の律動に合わせて呼吸する彼女。


眉毛が八の字になって涙をこぼしながら俺を受け止めている。


目があって心配になって


「大丈夫?」


てまた声を掛ける。


「じゃない。でも、頑張ります。」


なにを頑張るんだ

ここまでにしようか、

離れようとする俺をぐっと掴んで。


「ちゃんと、最後までして下さい。」


懇願する目は泪にぬれながら俺を見つめる。

< 100 / 297 >

この作品をシェア

pagetop