小さな幸せ

一通り片付いて満足そうな顔をした後

「私泊まっていいですか?

 どうせ明日休みだし、

 色々買いに行ってもうちょっと人間らしい

 暮らししましょうよ。」

と言い出した。

おいおい

また君はなんてことを…

「一応、俺人間だし。」

「判ってるけど。」

「一応男だし。」

「分かってる。」

「泊まるって事の意味分かってるの?」

誘ってんのか、

こっちは目いっぱい理性で押さえてるのに。


しばらくの沈黙。


顔が見る見る紅くなって、

そして目に涙をためて


「う、、分かった帰る。帰ります。」


バッグを手繰り寄せ、出てい置こうとする


彼女を追いかけ

ぎゅっと抱きしめた。


「ごめん、いじめすぎた。泊まっていきなよ。」


こっくりと頷いて、また涙をこぼした。

一日に何回泣くの?


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