小さな幸せ
キスの先に進もうとした時


「ま、まって、お願い…」


切ない声で俺に訴えてくる。


ここまで来て。

お預けは無いよ和実


「駄目?」


と問うと


自分が、経験がないかもしれないと説明してきた。


無いかもしれないなんて

なんてアバウトなんだ

ガ-ドが堅いのか、

無頓着なのか、

どっちなんだよ。



「すみません。

 あの、だからちゃんとできないかもしれないし…

 で、でもっ嫌いにならないで…」

ちゃんとできないって、

大人な反応ができないって事を心配してる?


可愛いことを


「ふっ馬鹿だな…」



俺は腕を伸ばして和実をギュウっと抱きしめて


「大事にするから。」


とキスをした。


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