小さな幸せ
ぺりぺリとゆでたまごの皮を剥きながら考える

結婚かあ

まだそういう話になったことないし

負担になるのもなあ。


ハンバ-グだねで卵を包み衣を付ける。


油の鍋に落とす

ジュッ


「ふふ、いい音。」


ピロッと解錠の音がして

惣さんが帰ってきた。



「驚いたあ、来てたの?」


「おかえりなさい。勝手に来てごめんなさい。」


「いいよいいよ、寧ろ嬉しい。

 何か作ってるの?いいにおいだ。」


あたしを後ろから抱きしめて髪にキスする


「もうすぐできるから着替えて来て下さい。」


「うん、楽しみ。」


さっきまで暗かった気持ちが

惣さんに会ったとたん明るくなった。


惣さんがいてくれたら何もなくなってもいいかな





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