小さな幸せ
辺りは暗かったけど、

土方さんの表情が見えた。

真摯で優しい瞳が水面に映る星を見ていた。

何で気がつかなかったのかな、

鼻筋が通って綺麗なおも立ちをしている人だったんだ。

ぐ~~~~っ

ギョッ私のお腹が思いっきり鳴った。

「あ、すみません。食事行きましょうか。

 あ、でもこの時間からだとファミレス

 か居酒屋くらいしか開いてないですね。」


時間は10時を回っていた。


「マックとかラ-メン屋さんにしませんか?」


「え?」


土方さんは珍しいものを見るような顔で私を見る。


「お腹すいちゃって死にそうです。」


私はペロッと舌出した。


ふっと笑って

「了解しました。」


と言って車のロックを解除する。


ピロッと鳴って、テ-ルランプが点滅した。

< 13 / 297 >

この作品をシェア

pagetop