小さな幸せ
午後の学年集会は主任と二人で

活動の内容説明と日程を一通り追った後チ-ム編成と係分けなどを行った。

途中から何事もなかったように新島先生がやってきた。

女は怖いなあとつくづく思う。

各班に別れて話しあうために

子どもたちが散らばったところで、

新島先生がやってきて遅れたことを詫びた。

「プライベ-トなこと口出してごめん。」

と付け加えた。

「いえ、こちらこそ図星だったんで、必要以上に強く言ってしまいました。」

「ほんとよ、、、。」

とちょっと口を尖らせた。

時々こういう人間臭いしぐさに、ドキンとする。

新島先生は、和実に会うまでいちばん身近な女性だったから、

好意みたいな生温かい感情を持っていた。

彼女からは好意以上のものがビンビンに伝わってくるんだけど、

バツイチ子持ちと言う引け目から決して言葉や行動にはしてこない。

ある意味それで助かっている。

もし迫られたりしたら、拒めないかもしれないから。

いくら和実一筋の俺でも据え膳はくってしまうかもしれない。







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