小さな幸せ
24時間営業の郊外型の店に向かい合わせに座る。

客は二人だけ、

店員が空いた席をダスタ-で拭きながら、

軽く清掃作業をしている。


腹ペコな私はパクっとチ-ズバ-ガにかぶりついた。


土方さんはそんなあたしを目を細めて見ながら、

紙コップ入りのコーヒーを傾ける。

「鈴木さんて、いつも自然体ですよね?」

と話しかけた。


私はもぐもぐしながら、

首をかしげた。

ゴクンと飲み込んでか聞き返した。


「自然体って?」


「飾らないっていうか、構えてないっていうか?」

「ああ、友達には、KYって言われます。

 
 駆け引きとかできないんですよ。

 そういうことを言ってますか?」


ははって笑った。

「KYかあ、そう言ったら俺もそうですね?

 普通女の人あんなとこ連れて行ったら引きますよね?」


「あ、それはあります。

 ちょっと怖かったですよ~。」


ちょっと間をおいてから、

「鈴木さんなら大丈夫かなって思ったし、

 あなたと一緒に見たいって思ったから。」


そう言って、私を真っ直ぐに見つめる。


うわっ、やばい心臓がバクバクしてる。








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