小さな幸せ
「あらあら珍しい。」

私のおみやげのド-ナッツと、

異常に早い帰りに

おどろくママに

「今日、会社休んだから。」

と告げた。

暫く、考えてたママは、

「折角だからお茶でも飲まない?ド-ナッツに合うハ-ブティ入れるわ。」

ママは庭から摘んだハ-ブを手際よくブレンドして、

熱いお湯を上から注ぎ、部屋中にいい香りが充満した。


「何か、優雅だねえ。」

「でしょ、最高の贅沢だと思うわ。

 はいどうぞ。」


「ありがと、戴きます。」


ママはお気に入りな復刻版ド-ナッツをゲットして

幸せそうにパクっと食べた。


可愛い人だなあと思う。


もう50を過ぎているのに全く感じさせない。


少女のようなひと。


「ねえ、和実は土方さんが好きなのよね?」


「え、あ、うん。」


「これからどうするの?」


「え、まだわからないよ。」


「そう。」


ママはちょっと困った顔して、

「伯父さんがね、いつまでもあの職場に置いて置かないで

 そろそろ結婚させたらって言うのよ。

 それで、これ置いてったんだけど。」





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