小さな幸せ
「お見合いしろって事?」


「する必要ある?」


「それは、相手の、惣さんの都合もあるし、すぐ答えは…」


「土方さんはいい人だし、

 香澄ちゃんの紹介なんでしょ?

 兄さんも知ってるはずなんだけど、

 相手の人が是非にって言うらしいの。


 相談したら?惣さんに、

 あなたも覚悟した方がいいわよ。」


写真を開いてみる。


「あ、この人」


「知ってる人?」


「伯父さんの会社の人。

 この間伯父さんとスク-ルに来てた。」


覚えてる、だってこの時だもの、

伯父さんに


『ここの仕事は長くするもんじゃない早く結婚するなりしてやめろ』


って言われた。


私は、自分が不要だって言われたみたいで凄いショックだった。


そういうことなの?この布石だった?


あの、腹黒親父~

スク-ルの仕事に救われてた、

そこを用意してくれたのも伯父さんだった。


私のたぶん微妙なポジションも気がついてるんだろうな。


伯父さんも結局好意でそう言ったってこと?


でも、悪いけど今回は、

伯父さんのレールには乗れないよ。

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