小さな幸せ
退職届、29歳にして2度目。

とは言え、慣れるものでもない。

PCで書き方探して、形式だけ整えた。


スク-ルの駐車場に車を止める。


ぎゅっ

気持ちを強くするためにこぶしを握り締める。


6年間私を支えて

沢山の人と出会いと

沢山の元気をくれた場所。


『自分は誰からも好かれてる。 世界の中心は私』


呪文を唱える


退職届を握り締め事務所へ向かう。


レッスンが始まっているから、

事務室は受付の二人とスク-ル長だけ


「こんにちわ。」


事務所に入って行ったあたしに

受付の麻生さんが、

「あれ、きょうお休みの連絡くれたのに。」


「うん、用事があって。」


奥に座るスク-ル長の元に向かった。


「スク-ル長。

 今月いっぱいで辞めさせていただきたいんです。」


差しだした退職届に、

驚いて見上げる。


でも、


「そうか、分かった。本部の方に連絡を取っておくよ。」


少しため息をつきながら、退職届を受け取ってくれた。






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