小さな幸せ
「そうかあ、良かったなあ。


　こんな早くまとまるとは思わなかったけど。


　まあ。そういうときは早いもんだよな。」


報告を聞いた川中先生が笑いながら頷いた。


「それで、いくつか問題があるんですよ。


　川中先生の奥さんのお父さんの事ですが…」


「お義父さん…そうか、それは困ったな。」


眉をひそめて、


「ちょっと時間くれ、香澄と相談してこっちでも動いてみるから。
」

二人で神妙な顔で話しているところへ、

新島先生がやってきた。


「おはようございます。

　昨日はご迷惑をおかけしてすみません。」


川中先生は俺の腕を引っ張り、立ち上がらせると。


「おはようございます新島先生。


　朝から朗報だよ。


　土方先生の結婚が決まったんです。」


川中先生はにっこりと笑う、

新島先生は固まり、

周りで聞いていた先生達が、盛り上がった。


「そうなんですか。おめでとうございます。」


事務職にいたっては、

「結婚するなら事務手続きがあるから早めに言ってくれないと困るよ。


　それでいつなの？」


まだ、気が早すぎです。

川中先生、こういうのって上に報告してからにして欲しかったですよ。


でも、新島先生にどう言おうかと思ってたから助かったのか。


ああ、でも昼休みは校長と教頭に報告しておこう。








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