小さな幸せ
予定通り訪れたのは、

大手チェ-ンのインテリアショップ。


この間、食器などを買った店だ。


「とりあえず必要なのは、

 和実のベッドとチェスト、

 テ-ブル、食器棚も必要か。


 和実が好きなの選んでいいよ。」


テ-ブルは4人掛けの小さめなシンプルなもの。 


食器棚はキッチンのタイルに合わせて白を選んだ。


後はベッドか、


「これでいいです。」


選んだのはシンプルなシングルサイズ。


「あのね~、何一人で寝る気になってるの?

 クイ-ンかキングでしょ?」


????て和実の頭から出ているクエッションマ-ク。


「まさか毎日別々で寝ようなんて思ってないよね?」


あっと思ったのか、

顔がみるみる真赤になった。


俺の独断でクイ-ンサイズを注文して、

カ-ドを持ってレジに並ぶ。


届け先や火日の確認をしている間に、

彼女は小物やキッチングッズなどを買いこみご機嫌だった。


和実に出会ってから

ガランとした俺の部屋に少しづつ物が増えて、

一つ増えるごとに胸の中に温かさが積もる。


これが幸せと呼ぶなら、

俺は本当の幸せを知らなかったんだ。

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