小さな幸せ
「おまえ、もう少し早く来れないのかよ。」


「高須先輩は黙ってて下さい。


 鈴木先輩

 あの、私のせいで辞めるとかじゃないですよね?


 高須先輩が私のせいだって言うんです。


 でも、さっき聞いたら寿だって言うし。私…」


「角田さんのせいだって言ったら?」


「わ、私、謝るつもりはありませんから、

 でも、言いすぎだってことはあるかもだけど…」


不器用な子。

謝りたいと思ってたくせに。



「ふふ、謝っちゃった方が楽なのに不器用ね、

 角田さん、正社員になれるように伯父さんに言って上げてもいいわよ。


 但し、始業20分前には来て私がやった業務をこなすことが条件。


 ちゃんとできたら考えてあげるから。」



「伯父さんて?」


「馬鹿、わっこちゃんの伯父さんは理事長だ。」


「ええ~~??」

「どうする条件飲む?」


これが最後の置き土産になるといいな。



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