小さな幸せ
角田さんは、私の後について、

色々覚えようとしてきた。


社員になりたいからがんばってるのだけかもしれない、

それでもきっと、私なんかよりこのスク-ルにとって力になる。


仕事を引き継いで頑張ってくれるならそれで構わないし

それを望む私でいたい。



「はあ、こんな色々やってたんですか?


 他の人はやってないことですよ。」



「何かを、補うためには、

 人より頑張るべきでしょ。


 角田さんが言ったように

 私、水泳で記録を残していないことを

 こうやっていろんな面でサポ-トしていくことで、

 ここで必要とされてきたの。


 角田さんも、

 社員になりたいならそれなりに頑張らないとね?」


「なんかくじけそうですね。」


「頑張って!

 あなたには若さも実力もあるんだから

 後はやる気でしょ。」



「先輩、ごめんなさい。

 あたし、何にも周りとか見えてなくて、

 生意気なこと言って。

 それなのに親切で優しくて…」


「そお?」

ふふっと笑った。

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