小さな幸せ
惣さんは腑に落ちない顔して頷いて、

「和実が気になるならそれはいいけど、

 伯父さんの事についてはそんなに大変なことなのか?」


「判らない、でも香澄ちゃんの時は大変だったから、、」

「でも、娘のことでは父親って反対するのは珍しくないけど

 和実は姪だろ。そんなにおびえなくても大丈夫じゃないの?」


「ああ、でも、普通じゃないから。

 伯父さんの私への固執の仕方は半端じゃないの。

 香澄ちゃんが結婚して3年。

 ようやく緩まってきたところだったと思ったら、

 今回のスク-ルを辞めろとか、

 縁談とか、何か起こる気がしてならないの。」


「学校で、伯父さんのこと川中先生には話したから、

 少し時間をくれって言われたよ。」


冷静になって考えても、

私が一人で車を取りに行くのは避けたほうががいいかもでも、


伯父さんの事は気をつけなくちゃって、

判ってた事なのに、

あの時

電話で、言われたことで舞い上がっちゃったから、

惣さんをできればまだ巻き込みたくない。

でも、もう巻き込んでるし。


「ねえ…惣さん私やっぱり家に戻ろうかな…

 あああ、惣さんを巻き込んじゃいけないのに。」


惣さんは信じられないって顔して諭した。


「和実、ちょっと落ち着けって。」


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