小さな幸せ
悪い予感が当たったって事?

伯父さんの仕業なの?

「あの、私、伯父さんにはお断りしました。」


その男は、意地悪そうな表情をして、笑いかけた。


「私の事覚えているんですね?正式には未だ会っていないのに、

 光栄です。



 …なんて嘘!」


「あの…?」


「覚えてないの?浅野晴彦。

 君の初恋の相手じゃないか?」


「あ、浅野先輩?

 すみません全然気がつかなくて、

 だって身長が…」


「はは、あの時は君より背が低かったからね、

 信じられないだろうがあれから20センチ以上伸びてね。」

浅野先輩、中学の2学年上の先輩。


初恋で、ファ-ストキスの相手だ。


サッカ-部で背が低くて、グランドを走る姿が

ちょこまかして可愛くて

私から『彼女にして下さい』

とアプロ-チしたんだ。


後にも先にもそんな行動したのはそれ一度きり。


確か先輩が転校してしまって

お別れのキス…あ、それがファ-ストキスだった。


確か、何か約束してた。


『必ず迎えに来るから、 その時は結婚しよう。』

プロポ-ズされたんだ。

私はなんて答えた?あれ、?

思い出せない。


「思い出してくれた?」

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