小さな幸せ
私が思いを巡らせているうちに

車は何処かの駐車場に入って行った。


此処は何処?


促されるままに付いてきた途中で携帯が鳴る。


はっと気がついた。


あたしは、あの後、

実家に帰って惣さんと婚約の報告をするはずだった。


「あ、惣さんごめんなさい、

 私、何が何だか…あっ!!」


「あなたは、土方惣さんですか?

 僕は浅野晴彦と申します。

 暫く彼女をお借りしますので、ご心配なく。」


 ピロ♪

電源を切る音。

さっき私を車に押し込んだ人に指示して手渡した。
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