小さな幸せ
安堵して、

そして愛しいものを見るような表情であたしを見る。


「悪かった。君はちゃんとあいつのこと見ていたんだね。

 こんな真似して、しかも試したりして、

 君は、その頃と変わってないんだね。

 あいつが言ってた通りの子なんだ。」


「あの頃が中学の頃というなら、変わりましたよ。

 あの頃14歳だった私は

 もう29歳です。

 15年変わらないはずはないです。」


「あいつに会って貰いたい。」


「あいつって…浅野先輩に?」


彼の差し出した手を掴もうとしたその時

バタン!!と大きな音がして

振り返ると息を切らせた惣さんが走り込んできた。


「惣さん。」


走り寄って私の肩を掴むとぐっと引き寄せた。


「彼女を返してもらう。」


浅野を睨んで言い放った。


か、カッコいい…

何かのドラマのワンシ-ンみたい。
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