小さな幸せ
「よく見えるよ。

 ああ、和ちゃんだ大人になったな、

 綺麗だ。」


「そんな、そんなに見たら恥ずかしいです。」


綺麗とか全然ないし…


「ありがとう和ちゃん。」


ずっと目を離さない先輩に恥ずかしくなった私は、


「お兄さん呼んできますね。」


と、ドアのノブを回そうとたと同時に、

浅野さんと惣さんが入ってきた。


「晴彦、見えるのか?」

駆け寄る浅野さんに先輩は、


「兄さん、和ちゃん連れて来てありがとう。


 それと、今までわがまま言ってごめん。」


笑顔で答えた。



「晴彦!」



あたし達はドアからそっと出て浅野さんの家を後にした。










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