小さな幸せ
今回の事で、

和実に対する伯父さん騒動は、

落着の方向で向かっている。


浅野さんは浅野物産の次期社長となる人だということが判った。


そんな浅野さんが、

弟の名前で偽って伯父さんの会社に入って、

和実との接触を企んでいたことは明白で、

知らなかったとは言え、

伯父さんは、この一連の事件を起こす発端を作ったことで、

最愛の妹に出入り禁止を命じられた。


娘の香澄さんにも相当叱られたらしい。


暫くは大人しくなるからその間に色々進めろとの伝言を受けた。


和実と俺の同棲は、うやむやに解消され、

行ったり来たりの生活に戻ってしまった。


「惣~!!ごはんできたよ!!」

あれから、なぜか俺をさんづけで呼ばなくなったし

敬語も無くなった。


何が彼女をそうさせたのか判らないが、

俺達の距離が近くなった気がする。


「きょうはイカ飯と茶碗蒸しだよ。自信作!!」


「おお!!うまそうだ戴きます。」


「ああ、待って、日本酒とビ-ルどっちにする?」



「いいの送ってかなくて?」


「うん、泊まってくよ。だって今日ベットが届いたし。」


「誘ってる?」


「違うもん!でも寝心地試したくない?」


「試したいもちろん!、今まで狭かったからできなかったこと色々!」


「もぉ~惣の馬鹿!!」///





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