小さな幸せ
「和実、気にしなくていいから、こっち。」

気にするなって言ったって

超特大シャンデリア、

ダンスフロアのようなホ-ルのまん中に螺旋階段。

ここって日本でしょ?


白くて重たそうな扉を開けると、

リビングってここですか~って広さのテ-ブルの上にジノリの紅茶セット

金髪のアニメから出てきたような執事さんのような男の人?


素敵な笑顔で挨拶をくれる。

日本語だ。


「いらっしゃい、和実さんお待ちしてましたよ。」


外人さんは、あたしの手を取るとそこに口づけた。


ああ、ここは日本でいいんですよね~

「ただいま、義父さん相変わらずですね。和実が引いてます。」


こ、この素敵な外人さんが、お義父さん?

だって、40歳は行ってないでしょ若い。


「引いただろ。これが俺の家族。」


呆気にとられたあたしの表情を見て、

ため息をついた。


「まあ、いらっしゃい待ってたのよ。」


「はじめまして、鈴木和実です。」


ペコリとお辞儀をすると、


「惣ったら、なんにも言ってこないと思ったら、

 こんな可愛いお嬢さんと付き合ってたなんて驚いたわ。


 母の、円(まどか)ミラ-です。


 仕事で使う 夢森の方がご存じかしら?」









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