小さな幸せ
「母さん和実は妊婦なんだからおもちゃにするなよ。」


「全く、和実さんばっかりなんだから…母さん悲しい。」


「惣、駄目でしょ、もっとお義母さんに優しくしなきゃ、

 胎教に悪いじゃない。」


「え、そうかあ?」


「そうよ、惣がお義母さんを大事にすれば

 お腹の子だってあたしを大事にしてくれる子になるんだから。」


「そんなもんか?」


じーっと私のお腹を見つめる惣。


ぷっはっ

最初に笑いだしたのはお義母さん、

そして次にあたし。


毬乃ちゃんが呆れたように、惣の背中を叩いた。


「そんなわけないじゃん、

 兄貴お腹の子の事となるとどうしょうもないなあ。」


真赤になって

「うるさいっ!!帰るぞ和実!」


あたしの手を引っ張って玄関を出て行く。


「また来ます。」


あたしは挨拶そこそこで連れて行かれる。




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